院長ブログ

2009年9月24日 矯正歯科について

今日は矯正治療が必要な、不正咬合が引き起こす障害についてお話したいと思います。

 

生理的障害

 

①咀嚼機能障害

 食べ物を摂取するために咀嚼するということは、人間が生きていくうえで基本的な機能であるといえます。不正咬合で噛みあわせが悪いと、この咀嚼機能が十分に営めません。不正咬合の中でも、下顎前突(受け口)、開咬、交差咬合では特に咀嚼の機能が低下します。

 

②発音障害

 不正咬合によって、正常な発音が出来ない場合があります。

 

③顎骨の発育に及ぼす傷害

 顎骨の発育は、遺伝的なものや環境の影響を受けます。不正咬合も、顎骨の発育に影響を及ぼしますが、これは環境的要因にあたります。たとえば、前歯の噛みあわせが深い過蓋咬合では、下顎の成長に影響を受けます。

 

④う蝕発生の誘因

 歯並びが悪いと、食品が歯間にたまりやすくなるとともに、口の動きで自然に除去されることはありません。また、歯ブラシによる歯口清掃によっても食品は除去されにくいです。すなわち、不正咬合によってプラークコントロールがしづらくなり、むし歯にかかりやすくなります。

 

⑤ 歯周疾患の誘因

 むし歯発生の誘因と同様に、歯間に溜まった食品は歯肉炎を引き起こします。また、不正咬合により咬合時に早期接触(全体で咬む時に早くぶつかってしまう部位)が起こったり、咬合圧のアンバランスが生じて咬合性外傷(不適切な力により歯周組織が破壊される)になり歯槽骨の吸収が起こります。

 

⑥ 外傷の誘因

 不正咬合により歯列から外れている歯があると、軽い打撲によっても唇やほほの粘膜が傷つきます。また、上顎の前歯が前方に飛び出している場合は、衝突により上顎の前歯が歯説することが多いです。

 

⑦ 補綴修復を困難にする

 補綴処置をする時に、支台歯(ブリッジ等の土台となる歯)が傾斜していたり、歯列から外れている場合には適正な補綴修復が行えません。

 

⑧ 顎関節症の誘因

 下顎頭(顎の関節の一部)は、上下顎をかみ合わせた場合にも、下顎の安静時にもバランスのとれた位置になければなりません。噛みあわせが深かったり、咬合時に顎が側方へ偏位すると顎関節症を誘発することがあります。

 

 

心理的障害

 

 人間は社会的生物であり、他の人と無関係に社会生活を営むことは出来ません。この場合、顔貌、歯並びなど直接人の目に触れる部分の外観が、ことば以上に人間関係に影響することもありえます。

 個人の性格にもよりますが、不正咬合による顔貌の不調和を気にして劣等感を持ったり、消極的になったり、時には闘争的になったりする場合があります。このために社会生活に支障をきたすことも考えられます。

 

 (参考文献:新しい歯科矯正学)

 

大事なことは、少しでも口の中の異変に気づいたなら早めに受診することをオススメします。歯並びは様子を見ていても、治るものではありません。少しだけ勇気を出して、かかりつけの先生にご相談ください。早めの処置が良い結果を生み出します。

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